新着情報
安田 守先生の「イッカク通信」続々快調!
安田先生の「イッカク通信」は現在No.18まで配信され、連載の「イッカクを待つ間に--カナダ北極圏、 ポンド・インレット村滞在記」のほかに、先生の現在のフィールドである伊那谷の観察日記が加わりまし た。いまは、先生の「身近な自然」でフユシャクガとカモシカの観察にはまっているようです。「イッカ クを待つ間に」は、16回目です。いよいよアザラシの「ファーストハンティング」での、ご自身の狩りの 体験が2回にわたって詳細に語られています。13回「セイウチのタイヤ」でイヌイットたちの修理能力、 14回「今、何時?」で、24時間昼という中での時間感覚、15回「バーレンランドの春」、16回「もう一つ の砂漠」で、ツンドラの原風景とそこに生きる生命の在りようが考察されています。イッカクに出会うの は、まだまだ先のようですが、それだけ体験した情報の多様さ、大きさに驚かされます。(2002.12.13)くろにか舎、ホームページを開設!
くろにか舎は、ルポルタージュ作家でフリーライターの山村基毅氏が主宰している出版プロダクションで す。「くろにか」という機関誌を発行していますが、その電脳版で、多士済々の人たちが寄稿していて飽 かせません。氏の近作『森の仕事と木遣り唄』は、チェーンソー導入がもたらしたわが国の林業の変遷と、 その過程で失われていった作業唄を丹念に追った労作で高い評価を受けました。小社も編集・制作でお世 話になっています。(2002.12.16)
★11月のニュース安田 守先生の「イッカク通信」連載快調!
9月から始まった安田先生の「イッカク通信」は現在No.10まで配信され、連載のタイトルも「イッカクを 待つ間に--カナダ北極圏、ポンド・インレット村滞在記」となって快調な滑り出しです。各号も見出しが つけられました。No.6は「イヌイット・フード」、No.7は「生肉の味」、No.8は「アザラシの肉の香り」 で、イヌイットの食事風景と生肉を食べた印象と感想が詳細に語られています。No.9は「アザラシの呼吸 音」、No.10は「シニュー」で、いよいよアザラシハンティングに同行して、息をつめてアザラシを待つ、 ドキドキするような光景に立ち会うことができます。シニューというのは、イヌイット語で「アザラシの 呼吸孔の水面が上下する」という意味で、それを待って水面に浮上するアザラシをフックで引っかける、 現場の生々しさが伝わってくるようです。イッカクに出会うまで、まだまだ先を楽しめそうです。 (2002.11.7)ギャラリーに次の作品が新登場!
岡野原八千代氏の作品「彼岸花」(布絵) マレーシア、サバ州キナバル国立公園発行「キナバル山ローズ・ピーク登頂証明書」 遠藤 勇氏の作品「フクロウ三兄弟」(バードカービング) 今西祐行先生の作品「倉田百三の墓」(水彩) 「木魂ギャラリー」にお越しください。
★10月のニュース『ガウェーンと緑の騎士---ガーター勲位譚』復刊のお知らせ!
文学史に必ず作品名があげられながら、その内容についてはあまり知られていない作品があります。『ガ ウェーンと緑の騎士』は、まさにその典型で、詩行2530行、ガーター勲位の由来譚として有名な上に、サ スペンスに満ちたプロット、人間心理の巧みな描写で、チョーサー、ラングランドの作品と並ぶ中世英文 学の傑作と称されています。小社から初完訳(瀬谷廣一訳)として、1990年に刊行されましたが、初版の 部数が少なかったこともあり、すぐ品切れになりました。それから8年ほどたちましたが、いまだに注文 が途絶えず、翻訳の良いこともあり、採算を度外視しての復刊を決めました。復刊部数は 500部、価格も 初版とほぼ同じにしました。本体価格2800円(税別)。11月上旬、刊行の予定です。(2002.10.4)
『ガウェーンと緑の騎士』
瀬谷廣一訳安田 守先生の「イッカク通信」はじまる!
8月のニュースでお知らせしましたが、カナダ北極の海でイッカクに出会った安田守先生が、その冒険旅 行の細部を忘れないうちに記録にとどめるために、ついに「イッカク通信」の発信を開始しました。イヌ イットの部落への道程、ホームステイ(下宿?)先の家族のプロフィール、部落の風景、アザラシ・ハン ティングの同行へと、現在No.4まで配信されています。見るもの聞くものすべてが初めての経験を、この 通信で共有できるのは幸運です。ただ、この通信の公開までにはもう少し時間がかかるようです。それま で、このニュースでできるだけ通信の成り行きをお知らせするようにしたいと思います。(2002.10.4)
★9月のニュース『柿渋クラフト』重版のお知らせ!
小社刊『柿渋クラフト−−柿渋染めの技法』は2年前に刊行しましたが、草木染めなど自然素材を見直す 自然志向などとあいまって、一種の柿渋ブームが起きているようです。柿渋は防腐・防水剤として一昔前 までは広く使われていました。日本酒のモロミを濾す酒袋も「渋染め」されていました。繰り返し使われ ていくうちに酒袋も渋茶の色が濃くなっていきます。丹波篠山に「柿渋クラフト工房」を主宰する著者の 寺田昌道氏は、その深い風合いの美しさに着目して、新しい色材としての柿渋の可能性を実践しています。 次の企画で、型染め、筒染め、手描き染めなどの作例集を上梓する予定です。(2002.914)ガラ紡の朝倉照雅氏、来社!★8月のニュース
ガラ紡とは、明治時代に臥雲辰致(がうん・たつち)によって発明された紡績機で、西洋紡績との対比で 和紡績と呼ばれています。ガラ紡の良さは、なんといっても使い古した綿から糸を紡げることです。実際、 布団綿をほぐして(打ち直して)円筒の管に詰めて、その筒をいくつも並べてガラガラ回転させて筒先か ら糸を引き出します。その糸はざっくりした太めの柔らかい糸で、抜群の吸水力を持っているので、その 布は洗剤を使わない食器洗い、食器拭きとして商品化され人気があります。朝倉氏は、そのガラ紡を継承 してその有用性を生かそうとしています。今回、氏はガラ紡の糸を使って「一本織り」という簡便な布の 織り方(編み方)を考案しました。簡単な仕掛けの織り枠で、一本の糸を編んで布にします。機械を使わ ない布作りを、来社の折りに実演していただきました。様々な活用が期待されます。なお朝倉氏は、小社 刊『はじめての綿づくり』の中で「ガラ紡物語」を執筆しています。(2002.9.14)
一本織りを実演する朝倉照雅氏安田 守先生、イッカクを見て帰国!
6月のニュースでお知らせしましたが、カナダのイヌイットのところにホームステイしていた安田守先生 が、無事帰国しました。先生はイッカクに会うためにポンド・インレットという集落に行っていましたが、 いくつもの幸運に恵まれて、ついにイッカクに会えたという報告が入りました。こちらは大変な猛暑が続 いていますが、極北の海は例年にない寒い夏で氷のブレイクアップが大幅に遅れ、イッカクの回遊も遅れ たこととか、ステイした家がハンターで、イッカクハンティングに同行できたのが最大の幸運であったと いうことです。それと、今回の一番の収穫は、もう一度行きたいという気持ちになったことというのです から、これはもう先生のイッカクへの思い入れを期待とともに見守りたいと思います。それでは、イッカ クに会った時の先生の文章の一部を引用します。 "そう、イッカクの印象についていえば、その姿もさることながら、水面に浮上して きたときのその呼吸音が(映像にもならないし、文字言語にもしにくいのですが)自 分の耳にしっかりと残るものでした。 イッカクは頭部から浮上し、鼻が露出したところで、その穴を開いて、肺の中にた めこんでいた空気を「ブフォッ……」と破裂的に吐き出し、比較的ツルリとした背中 をアーチ型に湾曲させながら見せ、鼻が再び水中に没する直前に「……ファッ」と一 瞬に肺の中に大量の空気を吸い込む。この「ブフォッ…………ファッ」の力強さに は、生命力を感じたのでした。" 緊張と興奮の瞬間を行間に感じることができる気がします。イッカクとの出会いをお祝いしたいと思います。 (2002.8.8)ボルネオじんぶん旅行、キナバル山登頂!
珊瑚舎スコーレ企画、アジアじんぶん旅行はボルネオ島キナバル山でしたが、珊瑚舎スコーレのスタッフの 皆さまのおかげで、参加者一同マレーシア・サバ州はコタキナバルからキナバル国立公園、さらには東南ア ジアの最高峰キナバル山登頂と、ボルネオ夏篇を堪能することができました。一週間の短い旅でしたが、参 加者の個性もあいまって充実した愉快なじんぶん旅行となりました。社主もキナバル最高点、ローズ・ピーク まで登れて感激しています。今回の旅のきっかけとなった盛口ゲッチョ先生の描いた絵は、キナバル公園のミュ ージアムに4枚とも、ちゃんと展示されていましたので報告しておきます。(2002.8.8)
展示されていたゲッチョ先生の絵
山麓から見たキナバル山
★7月のニュース『骨の学校』重版のお知らせ!
小社刊『骨の学校--ぼくらの骨格標本のつくり方』(盛口満+安田守)が昨年4月刊行以来、読者の熱狂 的な支持をいただいて、この種の本としては早いペースで重版になりました。この本を読んだ読者の感想 やら実際に作ってみたなどの話が、あちこちのホームページを賑わわせていました。この本は、「骨」を 題材にしていながら実に明るく対象に迫っているのがよい、と編集部も自負しておりましたが、かくれボ ーンコレクターを自称する人や、「豚足の骨格標本はまさに貴婦人のブーツを想わせる」と評す鑑賞家な ど、総じて「骨」を愛でる人々がかくも広い裾野をつくっていたことに、編集部もびっくりしております。 さてこの上は、次の企画を乞うご期待!と言えるように頑張りたいと思います。(2002.7.8)
★6月のニュース安田 守先生、カナダへ!
小社刊『骨の学校』の著者でもある安田 守先生が、イッカクに会いたいという永年の夢を果たすべく、 ついに北極圏に近いヌナプットへと旅立ちました。イヌイットのところに2ヶ月間、ホームステイするそ うです。イッカクに会えるよう、ご幸運を祈るばかりです。安田先生は、この4月に自由の森学園を退職 してフリーのナチュラリストになり、信州駒ヶ根にフィールドを移しました。信州ではオトシブミの観察 にはまり、今度はイッカクです。「身近な自然」「遠くにある自然」を追うというスタンスを貫くのも、 先生の面目躍如、大いなる冒険旅行に期待したいと思います。(2002.6.7)才田春光「ピールアート展」
小社刊『はじめての綿づくり』の著者の一人である廣田益久先生から、必ず必ず見て欲しいという緊急の FAXと電話が入り、新宿の高野ギャラリーに行ってきました。うーん、床にはさまざまな形に変身した色と りどりの果皮が堆く積まれて曼荼羅となり、壁や台の上にはいろいろな姿になった果皮が透明な光の中に新 しい生を吹き込まれて、全体がインスタレーションとなった空間がなにか精霊に満ちている気がしました。 これは、初めて見るアートのかたち、アーティストの明晰なメッセージがすがすがしい。「(果皮という) 捨てられるものは、用から解き放たれてはじめて自由になるもの・・」。これからの才田氏の活動に注目し たいと思います。(2002.6.11)珊瑚舎スコーレ「アジアじんぶん旅行」はボルネオ・キナバル山へ!
小社刊『骨の学校』の著者の盛口満先生がスタッフをしている、珊瑚舎スコーレ(メニュー⇒リンクのおす すめのページに紹介してあります)の今年の「じんぶん旅行・夏篇」は、ボルネオ島のキナバル山です。キ ナバル山は東南アジアの最高峰(4095m)で、周りに広がるキナバル公園は世界文化遺産にも登録された熱 帯の自然の宝庫、先導役はもちろん盛口ゲッチョ先生です。なんと、2年前に完成した博物館に盛口先生が描い た絵が飾られているとか。昨年のじんぶん旅行「屋久島・夏篇」で大いに蒙昧を開かれた社主は、この話を聞 いて、再び参加を決意しました。珊瑚舎スコーレのスタッフに支えられて、7月21日から1週間、充実した愉 快な旅になると思います。(2002.6.18)ギャラリーに次の作品が新登場!
遠藤 勇氏のバードカービング「ヒヨドリ」 金田 晃氏の作品「流線文花器」 外池庄治氏の作品「夜の想い」 「木魂ギャラリー」にお越しください。「エポス」バックナンバー一覧が追加されました
エポス同人による文芸研究誌「エポス」(小社制作・発売)は1976年の創刊で、今年4月に20号が刊行されました。 四半世紀を経た同人誌としてまれな存在になりました。これを期に、創刊号から第20号までの主要論文をまとめて みました。(2002.6.24)
★新刊情報
小方正法 蓑虫の空 連作木口木版画による十二の物語
四六判・38頁 定価1050円メタモルフォースは、人間の潜在的な願望であるが故に、いつも芸術の重要な主題であった。カフカは、「変身」の主人公が目覚めた時に巨大な芋虫になっていた困惑に、日常というものを裏返してみせた。著者は、一点に縛りつけられた蓑虫のなかにある、変態の予感を、連作木口木版画と詩で見事に表現してみせている。
発売中 遠藤 勇 バードカービング 野鳥の設計図集
A4判・40頁 定価2800円 ファン待望の野鳥の設計図集第4集が発売されました。 バードカーバー・遠藤勇氏の作品は木を彫るノミあと を巧みに生かして、質感と体温を表現しています。設 計図は実際に作られた作品からおとしますので、時間 がかかります。それゆえ、第5集がいつ刊行になるか 決めかねますが、セイタカシギなど水辺の鳥になる予 定です。 Vol.4 コノハズク/ジョウビタキ サンコウチョウ/セグロセキレイ セッカ/ウミネコ オオヨシキリ/ハシビロガモ
発売中